OJTはほったらかすことではない

OJTはほったらかすことではない
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OJTとは

新入社員の育成方法として今や多くの企業が採用しているのがOJTです。OJTとは、On the Job Trainingを略したもので、現場で働きながら仕事を覚えていく方法です。OJTをどのように行うかは特に決まりがないので、採用している企業ごとにその方法は異なります。そのため、OJTがしっかりと機能している企業とそうでない企業があり、OJTに対する認識そのものが間違っている場合もあります。若手SEの育成にもOJTが有効ですが、やはり間違った仕方で実施されてしまうケースがあります。

ほったらかすことがOJTではない

OJTで指導を任される人は、本来であれば指導を受ける人がより実践的に仕事を覚えることができるよう、適度に仕事を与えて指導を行っていく必要がありますが、ただ単純に指示を出すことがOJTであるという認識を持っている人も少なくありません。仕事を与えることが指導目的であれば、与えられた側はそれを課題として取り組むことができますし、わからないことをひとつずつクリアしていくことによって段階的に成長していくことができるはずです。しかし、それが単なる指示のみで後はほったらかしとなってしまい、しかるべき指導をしないでおくと、一連の業務を1人でこなせるまでに成長するまでの道のりは長くなってしまうでしょう。そのような事態にならないためには、OJTを実行する側が本来あるべきOJTについての心得をしっかりと把握しておくことが重要ですが、問題はOJTを受ける側にもあります。

質問することを恐れてしまう心理

OJTを実行する企業側が、スムーズに仕事を覚えることができるように工夫することはもちろん重要ですが、もうひとつ重要なのがOJTを受ける側の姿勢です。双方がしっかりと機能して初めてOJTの成果が発揮されるので、指導を受ける側もただ指示待ちのような状態になってしまうのではなく、仕事を覚えるために積極的に行動する必要があります。わからないことがあるのは新人であれば当然のことなので、積極的に質問をすることは良いことなのですが、そうすることができない新人が多いのも近年の特徴です。
その背景には、競争が激化している就職活動が深く関係していると考えることができます。就職活動で何社もチャレンジしてやっと内定を勝ち取るまでには、自分がいかに企業にとって役立つ存在かを強くアピールする必要があったので、わからないことがあると仕事ができない人だと判断されてしまうという恐れを抱いてしまい、わからないと言い出せなくなってしまいます。そのようなことを防ぐためには、やはりコミュニケーションが大切です。お互いに思っていることやわからないことを心に秘めてしまうのではなく、話し合うことによって双方の理解を深めていくことが、OJTを無事に成功させるポイントです。

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